1. 参考ドキュメント
参考にしたURL ⇒ Raspberry Pi Documentation – Configuration ( https://www.raspberrypi.com/documentation/computers/configuration.html#assign-a-static-ip-address )
2. はじめに
現在、指紋認証での出退勤時刻の管理をしています。
認証装置を購入してから5年ほど経過しましたが、バックアップ用の電池が劣化し膨らんできました。
そろそろ認証装置の更新を検討が必要になってきました。
そこで、Raspberry PIで勤怠管理システムの構築を始めました。
社員番号をバーコードで読み込み、DBソフトで勤務時間を管理するシステムです。
3. Raspberry PIのIPアドレスの設定
30年前、UNIXでしたら/etc/hostsファイルに静的IPアドレスを設定すれば良かった。
1年ほど前、CO2ガス濃度を計測し、MQTTでRaspberry PIにデータを送信し、記録するシステムを開発しました。
この時、Raspberry PIはサーバーとして使っていたので、静的(固定)IPアドレスが必要でした。
そのため、インターネットを調べると、/etc/dhcpcd.confファイルに静的(固定)IPアドレスを書き込む方法が紹介されていました。
もっと簡単な方法は、GUIからNetwork Preferencesを開き設定する方法です。
ところが今回、/etc/dhcpcd.confファイルはありましたが、コメントなどの記述は一切ありませんでした。
またGUIから設定しても、/etc/dhcpcd.confファイルへの書き込みはできません。
当然、アカウントはSuper User(管理者)モードです。
困りました。
Raspberry PIのOSは、告知なしで半年ごとに変更があり、突然、設定方法が変わってしまうことを知りました。
上記の参考ドキュメントで静的(固定)IPアドレス <Static IP Address>を検索したところ、
リンク先のドキュメントに辿り着いたわけです。
4. Raspberry PI 公式が推奨する方法
ルータのDHCPを利用する方法でした。
説明されている内容を翻訳すると以下のようになります。
<翻訳>
静的IPアドレスの割り当て
Raspberry Piに静的IPアドレスを割り当てるために、ルーターのDHCPに静的IPアドレスを予約します。
(ルーターのDHCPは、IPアドレスのレンタル期間を無期限に設定します。)
そうすればRaspberry Piは継続してDHCP経由で予約したアドレスが割り当てられます。
この予約したIPアドレスには、Raspberry PiのMACアドレスを関連付けることで、毎回同じアドレスを受け取ることができます。
5. Raspberry PIのOS側でIPアドレスの設定は推奨されていません。
どうも、サーバー側でのIPアドレス設定は推奨されていないようです。
確かに、ネットワークのセグメント上に同じIPアドレスが存在した場合、サーバーは機能しなくなります。
サラリーマンの頃、開発用のCADネットワークを管理していた時に、
偶然ですが、サーバーのIPアドレスと同じIPアドレスを設定し、開発業務を止めてしまったことがあります。
同一のIPアドレスでもMACアドレスが異なり、発信元が異なるIPパケットが還ってくるため、通信ができなくなってしまいました。
セキュリティ上、悪意のある第三者が、ネットワークのセグメント上にサーバーと同一のIPアドレスを持つシステムを設置された場合、
サーバーが機能しなくなります。
セキュリティを高めるため、サーバーのMACアドレスを利用することが考えられます。
MACアドレスは、通信機器に対し固有のアドレスで、同じアドレスはありません。
DHCPでサーバーにレンタルするIPアドレスに、サーバーのMACアドレスを割り当てておけば、
サーバーに割り当てられるIPアドレスは、固有のIPアドレスとなります。
また、サーバーに成りすましてIPアドレスのレンタルを要求してもMACアドレスが異なれば、その要求をDHCPは拒絶します。
管理者としては、サーバーの設定ファイルを操作することは最小限にしたいですし、
複数のサーバーが、同一セグメント上に存在する場合、各サーバーのIPアドレスをルーターで一元管理できます。
ネット上には、/etc/dhcpcd.confファイルの設定方法が大半ですが、
Raspberry PI 財団が推奨する方法が適切だと思います。
/etc/dhcpcd.confファイルを操作することは、あまりお勧めはしません。
ネット上を検索してみると、財団が推奨する方法を紹介しているサイトも見受けられます。
現状の方法は、廃れていくものと思われます。