1. はじめに
現在、非常勤職員として勤めている豊田工業高等専門学校(豊田高専)で、Arduino OPTAを使ったPLCの実習を企業生を対象に行うことになりました。
以下の写真のように、従来のPLCの実験・実習装置にArduino OPTAを接続します。
ラダープログラムは、Arduino PLC IDEを使って作成し、コンパイルした実行ファイルをOPTAに転送し、ボタン操作などでランプの点灯させPLCを体験し学んでもらいます。
日本では対応が遅れていますが、世界的にはIEC61131-3(プログラム)規格が標準になっており、やっと対応できるようになった状況です。
Arduino OPTAも、海外では3月。
日本国内でも4月に販売が開始されました。
国内での販売開始から半年も経過しておりませんが、簡単な装置用の制御コンピュータ(PLC)として利用できること。
また、Arduino IDEでもC言語でプログラムを組むことができる。
利用者のレベルや専門分野。
あるいは、利用する装置の用途に応じて、様々な使い方ができることから、まずはPLCの基本実習に投入することにしました。
そのため、Arduino PLC IDEのインストールと、実習用Arduino OPTAのライセンス・アクティベイトを行うことになりました。
今回は、その時に発生したトラブルと、回避した方法について紹介します。
2. Arduino PLC IDEのインストールとトラブル
まずは、Arduino PLC IDEのインストールになります。
サイト(https://www.arduino.cc/en/softwareArduino) からArduino PLC IDE 1.0.4(最新版)のダウンロードを行いました。
インストール方法については、以下のサイトを手順に従って進めていきました。
(【備忘録】Arduino® PLC IDEのセットアップとデバイスライセンスのアクティベーション | 株式会社応用技術研究所 (hagane-karakuriya.com))
ここで問題が発生しました。
OPTAにインストールする環境スケッチ(RTE : RunTime Environment)をインストールすると、通信プロトコル Modbus 用に仮想ポートが作成されます。
本来ですと、この仮想ポートを使ってOPTAに接続(On-line > Connect)し、OPTAにプレインストールされているライセンスをアクティベイト処理を行います。
しかし接続できず、Arduino PLC IDEからの応答がなくなり、ソフトウエアが終了してしまう問題が発生してしまいました。
1週間後に実習。
なのに、ライセンス・アクティベイトができない。
このままだと、この写真の10第は、鑑賞するためだけの装置になってしまいます。
焦りました。
3. Arduino PLC IDE 1.0.3.1のインストールと対処療法
まず、試したことは、1つ前のバージョン(1.0.3.1)のインストールでした。
実は、こちらも単独でインストールした場合、1.0.4と同じような状況となり、Modbus の仮想ポートを使って、OPTAに接続できないことが判りました。
私が使っている環境では、1.0.3.1でもModbusの仮想ポートで通信できますし、他のOPTAも接続できます。
ただ、さらに以前、2022年に公開されたArduino PLC IDE (1.0.0)で、同じようなことがありました。
3月に本家のサイトからOPTAを購入し、接続しようとしたところ接続できない。
そんな状況で国内販売が始まり、大丈夫なのかと心配しておりました。
国内での販売開始直後に公開された1.0.3をインストールしたところ、無事にOPTAのアクティベイトを完了させられたことを思い出しました。
このような経験から、1.0.3.1および、1.0.4,を単独でインストールしてもModbus の仮想ポートでOPTAに接続できない。
だったら、先に1.0.4をインストールし、1度、起動ざせ、その後、アンインストールし、1.0.3.1へバージョン・ダウンを行う。
多分、2つのバージョンがインストールされないと、通信に必要なDLLなどのライブラリーやドライバーが揃わないのだろう。
そんな仮説を立てて、実行してみました。
仮説どおり、OPTAのライセンスをアクティベートする画面にたどり着くことができました。
手間がかかってしまったのですが、この方法で、10台すべてのOPTAのライセンスをアクティベートできました。
1週間後の実習には間に合いました。
4. 1.0.3.1のソフトはどこに?
バージョン1.0.4をダウンロードした本家のサイトでは、Arduino PLC IDEの以前の版は公開されていません。
偶然、私のPCのダウンロードフォルダーにインストールファイルが残っていました。
実は、このあと、『同じような事象で困っている。』という話をSNSを通じて知りました。
困っている方が多いと思いますので、偶然、私がダウンロードして保存してあった1.0.3.1のインストールファイルを公開します。
もし、同じような事象でお困りの場合、一度、対処療法として試してみてください。
必ずModbusの仮想ポートを通じて、OPTAのライセンス・アクティベート画面(ウェルカム画面)につながるわけではないので、
その辺はご了承ください。
当社では、この対処方法を試してみたことにより生じた不都合については責任を負えません。
予期できない不都合について対処できないと思うようでしたら、この方法は止めてください。
そのような場合には、確実に回答が得られるわけではありませんが、コミュニティーに質問するなどの方法をお勧めします。
以上のことを理解したうえで、以下のサイトからダウンロードをお願いいたします。
インストールファイルの保存先 ( Arduino_PLC_IDE-1.0.3.1 )
ご質問はお問い合わせよりお願いいたします。