mV信号増幅器(増幅率 1000倍)のレンジ改造

アナログ増幅器の販売状況

当社では、0.0〜10.0 mVの電圧信号を0.0〜10.0 Vに増幅するアナログ基板を販売しております。

増幅率を1000倍とし、mV単位の信号をV単位に増幅し、PLCのアナログ入力で利用出来るようにしています。

昨年、引合いがあり、2点、販売することができました。ありがとうございます。

m(_ _)m

 

その時、この商品の弱点も感じました。

それはバリエーションが全くないことです。

元々の開発経緯は、ある真空計がペンプロッター用に出力している信号(0.0〜10.0 mV)を増幅し、PLCのラダープログラム内で利用することでした。

その時に開発した基板が、現在、販売している商品になります。

用途が限定されているため、引き合いもないだろうと考えていました。また、バリエーションについても、受注改造で対応する予定でした。

 

しかし、調べてみるとデジタル化の波にのみ込まれてしまい、国産の汎用アナログ増幅器は少なくなってしまったようです。

その結果、問い合わせされるようです。

さすがに製品が特殊すぎるため、一般からの問い合わせはありません。

問い合わせされるのは、国立、私立を問わず国内の大学からで、研究用だそうです。

 

レンジ幅の追加改造

昨年末あたりから、弱点となっているバリエーションを増やす方向で考えていました。

バリエーションの方向としては2つあります。

  1. 増幅倍率の変更
  2. 入出力レンジの変更

先月までは、上記1. での追加を考えていました。

理由は、改造する範囲が狭く、既存の製品との変化点を管理できるからです。

それと品質管理用に製作したテスト信号の発振器も使えます。

しかし、ニーズはそこに無かったようです。

単純にmV単位の電圧信号をV単位の信号に変えたい。ただ、微弱な電圧信号を1000倍に増幅したい。

そちらが先でした。

 

そこでレンジ幅のバリエーションを増やすことにしました。

レンジ幅の意味

適切なレンジ幅を選択したほうが良いです。

増幅率が1000倍で、レンジ幅が0.0〜10.0mVの増幅器の場合、出力される電圧範囲は0.0〜10.0 Vになります。これは適切な使用法になります。

仮に0.0〜5.0 mVの範囲の場合、出力される電圧信号の範囲は0.0〜5.0 Vですが、5.0mVを超えるノイズが発生すると、〜10.0 Vの範囲で増幅するため、信号を受信する側が10.0 Vに対応していないと、壊れてしまいます。

ローパスフィルタは組み込んでありますが、サージ用のハイパスフィルタは組込んでいません。

また、出力レンジが10.0 Vのままだと、微弱な変化は増幅されても、レンジ幅全体(10.0 V)の大きさに対する変化となるため、埋もれてしまう可能性が高いのです。

そのため、計測するデータ信号の出力幅に合わせたレンジ幅が必要になるわけです。

今後のレンジ幅対応について

レンジ幅は、駆動電圧で決まります。

そのため、DC24 Vを元に、レンジ幅に合わせた駆動電圧を発生させる電源回路が必要になります。

スイッチなどで駆動電圧を切れ替えられれば、レンジ幅の切替も簡単なのですし、販売価格も高くできますが、そこまで売れる見込みも需要もないので、現在はレンジ幅毎に基板を製作することで対応する予定です。

この製品に付いて、ご希望などがありましたなら、お問い合わせよりお願いいたします。

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