アンダーカット形状の造形(3Dプリンター)

毎週水曜日は、愛知県豊田市にある豊田高専で、非常勤講師(特命准教授)をしております。

高専の専攻科生(高専6年生)の実習で、アンダーカット形状の許容角度を理論的に説明しました。

フィラメントのノズル吐出径はΦ0.4 mm。

積層ピッチは0.12 mmと仮定します。

一つ下に積層したフィラメントに対し、そのフィラメントの半径の範囲に、積層するフィラメントの中心が乗るようにすれば垂れることはありません。

底辺の長さ0.2 mm。

高さ0.12 mmの直角三角形の角度を求めます。

atan(0.12/0.2)=30.96度

簡単に考えると、約30度のアンダーカット形状でしたら、フィラメントが垂れることはありません。

また、ネジ山のアンダーカット形状が30度なので、ネジ山は形状が崩れることなく造形できます。

さらに考察を進めます。

積層ピッチが0.12 mmだとすると吐出されるフィラメントの断面は高さ0.12 mm。

断面積は変化しないので、直径Φ0.4 mmの円の場合、0.1256 mm2となります。

簡単にするため、矩形に近いと考えると矩形の底辺は1.047 mmになります。

フィラメント形状が変形しない場合と同様に考えるます。

底辺の長さ 0.5235 mm。

高さ0.12 mmの直角三角形の角度を求めます。

atan(0.12/0.5235)=13.43度

感覚的に約13度ぐらいのアンダーカット形状は造れてましたので、現実の造形形状とよく合います。
販売している製品には、このような論理的な検討がなされており、フィラメントが垂れないアンダーカット形状を三次元CADで作成しています。
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