エンジニアリング、て何?

エンジニアリング、て何?

自分はエンジニアを職業としています。

みなさんは、エンジニアという仕事に対して、何を想像しますか?
また、この職業について知っていることはありますか?

最近、
『機械設計、時給 2,200円~』
『三次元CADオペレーター 時給 1,500円~』

企業の開発部門を辞めて独立する場合、次の仕事に対してのアイデアがなければ、
次の仕事は、これぐらいの金額から始めることになります。

雇用保険なし。
社会保険がない代わりに、個人で国民健康保険に加入することになるのかもしれません。

この国で、新しいアイデア創造に携わる事業というのは、このような状況です。
しかも、海外のクラウドファンディングで、日本国内に無い商品を探し、
それを商材として国内のクラウドファンディングにチャレンジする。

目指すは、開発費ゼロ。

エンジニアリングに対して、高いニーズがあるのは大手企業が多いです。
むしろ、セカンドキャリアとして独立するということは、商品化できるものやアイデアを持っていて事業化するだけ。

そのような状況でないと、エンジニアが独立するというのは、厳しいと思います。

よく、『ものづくり立国、日本』という言葉を耳にしますが、市場を見ている限り、そんな姿を見ることはありません。
現状の付加価値は『国内に存在しない。』珍しさになっています。

自分たちが若い頃に言われていたことは、

『輸入した資源を加工し、世の中にない高い品質の製品にして世界に販売する。』

素材から製品を創り出すことが、付加価値で、そのためのエンジニアリングでした。
そのため、各大学の工学部も、その部分に注目し、学生を教育し育成することが目的でした。

 

改めて、エンジニアリングて、なに?

当時から30年以上も経過しました。
時代も変わってきたので、当時、求められていたエンジニアリングも変わってしまったのだと思います。

苦労して新しいものを創造するよりも、世界にある珍しいものを調達し、販売した方が楽に稼げる。
しかもクラウドファンディングという手法を使えば、手元資金が小さくても大きな資金を集めることができる。

実は、ロボコンに係っている大学の後輩から、こんなことを聴きました。

世間ではロボコン、ロボコンと、呼び声は高い。
でも、活動を継続するには資金が必要になります。

現実の話をすると、皆さん逃げ始める。
夢みたいな部分は話題にしたがるけど、活動支援という現実の話をすると耳を塞いでしまう。

モノづくり。て、資金が必要なものなのに、
奉仕や情熱だけでモノができるような、変なイメージを持たれているかが多いですね。

実際、当社が開発した製品を売りたい。
製作費は出すけど、開発費を負担する気はない。

色々な人と、雑談などの中で、それとなくエンジニアリングについて聴きますけど、
多くの場合、精神論が多いですね。

『社会のため』という大義名分や理念は必要です。

それでも、
精神論に頼りすぎていないかな。
取組む人たちの情熱に頼りすぎていないかな。

と、思うことが多いです。

もっと、統計的、論理的な支援が必要なんだと感じます。
DXという前に、論理的な思考よりも、情緒的、感情的な思考の方が勝っているように感じます。

 

そう思うと、昨今の円安も理解できます。
付加価値の創造を辞めてしまったのですから、個人の給与なんて上がるはずもありません。

韓国で働いていた経験もありますが、正直、韓国の方が給与は高かったです。
誘われましたが、個人よりも日本の復興に尽力したくて断りました。

 

本当に必要なことは、安易な稼ぎ方を止めること。
そこに尽きると思います。

余計な話だと思いますが、独立を考えている皆さん。
『モノづくり』について、真剣に考えている皆さん。

今の状況は、突然、なったわけではありません。
ずいぶん前から、このような状況に陥るように、徐々に変化してきた結果です。

なにが足りなかったのか。
意見が異なっていても、膝を突き合わせて、考えるべきところなんでしょうね。

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