はじめに
最初は技術力向上を目的として取り組み始めました。
M5StickC Plus に接続したCO2濃度センサーの値をRaspberry PiにMQTTで送信し、Node-REDで可視化することでした。
取組み始めてみると、セミナーなどで取り上げられるIoT機器の説明や事例紹介だけでは、システム構築は難しいと感じました。
IoTシステムの導入が難しい理由
私自身は、構造解析(強度シミュレーション)という仕事を中心に、装置開発など機械設計全般に技術を身に付けていきました。
畑違いのように見えますが、解析業務の改善活動としてJAVAによるソフトウエア開発やイントラネット(社内を対象としたWEBサーバー)の立ち上げも行いました。
また解析用のコンピュータシステムをCADシステムに接続するため、ネットワーク構築技術についても学びました。
機械設計全般の専門知識とは別に、ハードウエアとソフトウエア。
そしてネットワークについての専門的な知識を30年近い業務経験の中で身に付けてきました。
セミナーで知るわずかな情報に対し、これまでに修習してきたハードウエア、ソフトウエアそしてネットワークの知識でかなりの部分を補ってきました。
そのような体験から考えると、趣味やたしなみ程度の知識から業務システムを立ち上げるのは、相当の時間がかかると思います。
現在、立ち上げられる能力を持った若い人材は偏在化し、採用は厳しくなっています。
また社内で教育指導にあたれる皆さんの時間も少なければ、自己研鑽と称したOJT(On the Job Training)では時間がかかりすぎるかもしれない。
ひょっとすると教育時間に費やす人件費を回収できないかもしれない。
そんな後ろ向きなことが頭をよぎると、人材育成が課題となり、なかなか導入に踏み切れない。
また外注する場合でも、担当者の知識不足が影響していて、なかなか話をまとめられない。
会社としてのイメージが曖昧だった場合、現実のシステムとかけ離れてしまうこともあります。
社員の再教育としてリカレント教育の受講を検討するものの、近隣で受講が出来ない。あるいは日程が合わない。
人材育成に対する余裕の無さが理由の一因で、導入が難しくなっていると考えます。
情報セキュリティへの対応
人材育成の他に、社内のコンピュータ・ネットワークに接続が出来ないこともIoTシステムの導入を難しくしている理由です。
最近も身代金を要求してくるウイルスの影響で、グループ企業の生産が止まってしまう事件がありました。
社内の情報システムを管理する部署の立場に立てば、監視ソフトなどで管理できないITツールの接続は、拒絶すると思います。
このままだとIoTシステムは社内の中で孤立状態となってしまいます。
また外部にMQTT用のサーバーを設けている場合、データ送信は直接、専用回線を開設することになり、大掛かりなシステムになってしまいます。
セキュリティを保つため、社内のネットワークに接続せず、どのようにIoT用のネットワークを構築するか。
人材育成とIoTを使うための環境整備。
この2点が課題となって、導入が進まない状況だと感じています。
課題解決に向けた提案(micro-Telemetry Networkの構築)
SIMフリーのWi-Fiルーターを使い、インターネットと接続します。社内の情報ネットワークとは接続しません。またデジタル通信でアクセスポイントに接続するだけなので、盗聴されにくいです。
次にRaspberryPiをMQTTやNODE-redのサーバとしてルーターに接続します。
IoT用の各センサーはWi-Fiで接続します。
インターネットへの接続は外部の時刻(NTP)サーバへ接続するときや、ソフトのアップデートのときだけ。
このような限られたエリアに無線によるネットワークを構築し、IoTシステムを造り込んでいきます。
データ通信量も少ないので、通信契約料も月当たり数千円で収まります。また外部のサーバをレンタルしなくても良いので、その分の経費は浮いてきます。
NODE-redによるデータ可視化は、タブレット端末で充分です。
IoT導入でお困りのみなさんへ
当社では、提案するmicr-Telemetry Networkを構築し、RaspberryPiにMQTTサーバを立ち上げました。
現在、M5StICkC PlusにCO2濃度センサーをI2Cで接続し、約1分間隔でRaspberryPiに計測値を送信(パブリッシュ)しています。
夏休み明けに、RaspberryPiで受信(サブスクリプション)したデータをテキストファイルに保存する機能とNODE-redで保存したデータを可視化する機能を開発する予定としています。
大きな投資をせずにIoTに取り組んでみたい。
いろいろとお手伝いできると思います。お問合せからのご連絡をお待ちしております。