はじめに
2021年10月頃から半導体不足が言われるようになりました。
実は、その2カ月前の8月頃には成形用の樹脂原材料や金属材料などの調達に時間が掛かる連絡も受けておりました。
当時の原因は、中国での電力不足による工場の稼働制限でした。
その後、2022年に変ると新型感染症(新型コロナウイルス)のまん延に伴う稼働制限や都市封鎖、いわゆるロックダウンが加わりました。
2022年の2月や3月時点で、必要な電装機器の納期が9月末になってしまっています。
RaspberryPiのようなボードコンピュータも2021年の年末あたりから在庫が無くなりました。
RSコンポーネンツ社の販売サイトでも、2月、3月時点で『11月11日以降に出荷』となっていました。
一方、Amazonなどにはスターターキットに体裁を整えた商品が販売されています。
これらのセットになった商品の単価を足し合わせた額よりも販売価格は高いのですが、納期を考えると必要なので購入してしまいます。
そんな現状に対し、こんなニュースを見つけたので、備忘録として訳したものを掲載します。
以下【原文(英語)の訳】
【原文】https://www.raspberrypi.com/news/production-and-supply-chain-update/
製品と供給体制の最新情報
お気づきのように、現在、Raspberry Pi本体を在庫から購入することは難しいかもしれません。
これにはいくつかの要因がありますが、前回10月にこの記事を書いてから何が起こっているのか、最新情報を提供することが有効だと考えました。
供給
この6ヶ月間、私たちはより多くのRaspberry Pi製品を作り、お客様にお届けするために努力してきました。
サプライチェーンに関するさまざまな課題にもかかわらず、私たちは一貫して、毎月約50万台のシングルボードコンピュータとコンピュータモジュール製品を製造することができました。
10月にお伝えしたように、Raspberry Pi 4や関連するコンピュータモジュール製品に使われている28nmのBCM2711部品は、当社の旧製品に使われている40nmの部品よりも入手しやすくなっています。
当財団は協力な商品パイプラインを有しており、今後数カ月間、少なくともこのペースでユニットを精算していく予定です。
需要
以前から申し上げているように、現在の状況は、供給ショックと同様に需要ショックでもあります。
2021年に入ってからRaspberry Pi製品の需要が急増し、供給の制約から増加する需要に対し柔軟な対応ができず、その結果、ほぼすべての製品でかなりの注文残を抱えることになりました。
また、多くの販売店にも受注残があり、当財団からの出荷製品を受け取ることで受注残を解消していただいています。
ウェールズの工場で作られるラズベリーパイ
需要の増加にRaspberry Piの生産が追いつかないため、出荷しても商品が販売店のサイトに掲載されることはほとんどありません。
ボット(bots)が現れ頻繁に予定出荷品を先行して買い付け、その後、販売店以外のサイトで正規価格よりも高い価格で転売されます。
この問題に対処するため、多くの認定販売店では製品ごとに販売制限を設けており、Adafruit社などではさらに進んで二要素認証を導入しています。
財団として他の認定販売店にも、二要素認証の導入を検討するように勧めています。
受注残の管理には多くの時間を費やしています。
商業や産業界の顧客からの需要と、個人のお客様からの需要に対し量的なバランスを取る必要があるのです。
今、私たちがやるべきことは、商業および産業界の顧客を優先させることだと考えています。
その顧客はラズベリーパイを必要としビジネスに活用する人たち。
その顧客の生活がかかっていることを痛感しています。
現在、これらのお客様のニーズを満たすのに十分な供給があります。
(このような立場で、悩んでいる方は最後までお読みください。)
その代わり自宅での趣味や試作用のために少量だけ購入するような個人顧客に対しては、供給が制限されることになります。
推奨(アドバイス)
では、2022年にRaspberry Piを購入する必要がある場合、どうすればいいのでしょうか。
いつでも購入先は認定販売店から
繰返し強調して説明します。
認定販売店はRaspberry Pi製品の供給を優先的に受けることができます。
Raspberry Piが高値で売られているようだ、とソーシャルメディアで文句を言っている人たちは、認定販売店から購入したわけではありません。
Raspberry Piの製品ページに記載された価格と(販売地域の)税金、送料(必要に応じて)で、認定販売店が販売します。
購入希望者は Raspberry Pi の各製品ページにある「Buy Now」をクリックし、お近くの認定販売店を検索してください。
認定販売店の中には予約注文を受け付けているところもあり、注文の処理にかかる時間の目安を知ることができます。
必要ないかもしれませんが rpilocator などのツールを使い、いつ頃、どの認定事業者が在庫を入荷するかを確認するとよいでしょう。
Raspberry Pi 400 または Raspberry Pi Picoをご検討ください
これらの製品は、概ね在庫があります。
『汎用コンピュータを入手可能な値段で提供する』という当財団のミッションで重要な役割を担っている Raspberry Pi 400 向けに一定量のBCM2711シリコン供給を確保しています。
現在、多くの認定販売店に、この製品の在庫があります。
Raspberry Pi Pico や RP2040マイコンをベースにした多くのサードパーティ製ボードは Raspberry Piのような本格的なPCではありませんが、他の製品と同様、様々な組み込み用途に使用することができます。
十分に Pico、RP2040の在庫があります。
お問い合わせはこちら!
産業用・商業用アプリケーションでRaspberry Pi製品の大量供給が必要な場合は、business@raspberrypi.com までご連絡ください。
私たちにもできることはありますし、全力でサポートします。