Japan IT week 名古屋(2021年7月28日~30日)に行ってきました。

Japan IT Week 名古屋(2021)に行ってきました。

想像していた規模は、ポートメッセ名古屋全体を使った展示会だったのですが、
実際に現場を見ると、第三展示館のみでした。
意外に小規模でした。

全体のブース構成を見ると、9割はソフトウエアやWEBサービスのような印象を受けました。

開発したソフトウエアの商品紹介、あるいはサブスクリプションによる提供サービスの紹介。
もしくは、WEBサービスの紹介が中心でした。

その一方で、ソフトウエアやWEBサービスが利用する情報発信部分に関したブースは1割に満たなかったように思います。
具体的には、温度や電流、光などを感知するセンサー類、ネット上の指定サーバーへ情報を発信する装置。
展示会場を隅から隅まで廻りましたが、ほとんど見かけることはありませんでした。

この状況だけで、断定しませんが、
日本国内のIT化、あるいはデジタル化とは、人の作業をソフトウエア化する。

そんな認識にあることを端的に表れているように見受けられます。

実は数年前から、国内でハードウエアを設計したり組立てたりする人たちが減り始めていることを感じていました。
そのため、IoTなどで必要なセンサーやWiFI機能を有したマイコンなどは中国製品が市場を支配しています。

IoTに必要なハードウエアの仕様を海外に支配されると困ることが出てきます。
製品の仕様が、勝手に変更されてしまうのです。

仕様が変更されると、ソフトウエアも変更が必要になります。
また、従来品が使えなくなるため、納品した装置類も改造が必要になります。

本来のデジタル化はハードウエアとソフトウエアの両輪からなるものです。
しかし、現在の日本はハードウエア側が衰退し脆弱なデジタル化が拡大しているように思えます。
この状況を許すと、基盤となるハードウエアは海外に支配され、ハードに依存しないソフトやWEBサービスのみが発展しそうです。

SONYのfelicaカードやカードに埋め込むICチップがあるから電子マネーサービスが拡がりました。
ハードウエアの衰退が目に見えるような今回の展示会は、将来に対する不安しか残らなかったです。

産業用RaspberryPIによるPLC

現在、注目しているのは、ArduinoやRaspberryPIを使ったPLC装置です。
今回、見学したJapan IT week 名古屋2021の中で、見つけたブースです。

開発している装置のPLCは産業用RaspberryPIの利用を考えています。

PLCですから、制御コードはラダープログラムが基本になります。
しかし、中身はRaspberryPIです。実はPythonでも、コーディングが可能です。

複数のプログラミング言語を覚えることも大事ですが、同じ制御則を多言語化することはムダのように思えます。
Pythonでパソコン上で検討し動作確認ができたものを、同じコードで装置に実装できるのなら、その方が楽です。
言語変換に伴う誤訳や、介在する人のタイプミスなどを減らせます。

また、ハードウエアや装置開発に対する敷居も低くなります。

何よりも欧州で受け入れやすい制御装置ですから、欧州への開拓も可能になります。
ソフトウエアの隆盛を見れば明らかですが、市場として意識しているのは国内です。
しかもハードウエアは衰退し、現在、稼働している装置を維持するため、これまでの技術を保持している状況です。

当社では、新しい技術を取り入れるチャンスだと考えています。

欧州の開発戦略

10年ぐらい前から、ソフトウエアPLCの流れが始まりました。
最初に注目したことは、OMRONが提供しているPLCとMATLAB/SIMULINKの連携でした。

PLCはラダープログラム上で、いくつかの関数が提供されています。
しかし、複雑な制御則をラダープログラムに組込むことが出来ませんでした。

その状況を変えたのがソフトウエアPLCです。
マクロ関数として定義したブロックの機能をC言語で記述することが出来ます。
その機能を活かし、MATLAB/SIMULINKとの連携も実現しました。

欧州の開発を見ているとプラットフォームのオープン化を10年ほど前から進めています。
このプラットフォームは、ハードウエアやソフトウエア、どちらの領域でも行われています。

プラットフォームのコアとなる部分はオープン化し、多様な意見や考えを反映させて限りなく脆弱性を排除する。
その一方で、プラットフォームを使い、各社各様のサービス開発や製品開発を行い利益を追求する。
また、得られた利益をプラットフォームを開発する人たちに寄付し、利益を還元することでことで社会貢献を行う。

そのためプラットフォームのコア開発のコストは、各社で負担し合うことになり莫大な経費を掛ける必要がなくなります。
企業が集中すべきは、プラットフォームを利用したアプリケーション開発。
開発仕様もオープン化されているため、恣意的に変更されることもありません。

こうした世界的な開発戦略がないので、日本で市場を占有するような製品開発ができないと思っています。

この考えについて、ヨーロッパのエンジニアと話をする機会があって、確認しました。
この戦略で、市場独占を図っているようです。

よく、気が付いたね。

と、相手から褒められましたが、うれしくありませんでした。

気になることがあれば、ホームページよりお問合せいただければと思います。
なお、営業を目的とした面談希望については、お断りしております。

よろしくお願いいたします。

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