1. はじめに
以前、夏休み特集①で、自由研究レポートの書き方と実験や調査の進め方を紹介しました。
その中では紹介しなかった、グラフのまとめ方や図や表などについて、今回、説明します。
2. データのまとめ方
データをまとめるとき、みなさんはどうされますか?
夏休み期間中に得られたデータを人工知能で機械学習させ、示される結果からレポートをまとめるのもアイデアの一つです。
ただ注意点が一つ。
人工知能が示す結果から自由研究テーマに沿った結果を選ぶのは自分自身であることです。
結局、自分が何を知りたいのかはっきりしていないと、複数の結果が得られても適切な結果を選べません。
数字ばかり並べてもなかなか理解できません。
またデータの中にある傾向や特徴も掴むことができません。
そこで、自分が集めたデータをグラフにまとめてみましょう。
みなさんが集めたデータは、【7月、8月の毎日の天気(『晴』、『曇』、『雨』と最高気温】 です。
よく使うグラフは以下の4つです。
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グラフを使ってデータを整理する
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棒グラフ
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ある期間の『晴』や『雨』の日数をまとめる
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『赤』や『白』のように、色別で数えた車の台数
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折れ線グラフ
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一日の気温の変化
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一カ月の最高気温の変化
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円グラフ
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ある期間の『晴』や『雨』の日数の割合(%)で表現したい
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度数分布グラフ
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最高気温の温度『29℃』の日が何日、『30℃』の日が何日と温度ごとに日数を分布としてまとめる
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1) 棒グラフ
7月、8月の天気のうち、『晴』、『曇』、『雨』、『それ以外』の日が、それぞれ何日あったかを整理するときに使います。
このようにまとめると、7, 8月は『晴』の日が多かったのか、『雨』の日が多かったのかが一目でわかります。
また、どれぐらい多かったのかも理解しやすいです。
以下の図は説明した内容を具体的に理解してもらうため、作成したものです。
なお、このデータは適当に作成したものなので、このまま使わないように。
2) 折れ線グラフ
7月、8月の最高気温の変化を整理し、まとめるときに使います。
折れ線グラフを使うと、いつ頃が暑かったのかが一目で分ります。
以下の図は、横軸が日にち、縦軸が最高気温(℃)になります。
このグラフから8月の10日ごろが一番暑かったと言うことがわかります。
特に、折れ線グラフは時間経過に伴う変化を見るときに使割れることが多いです。
右の図は、7月と8月を別々に分けて、重ね合わせていますが、7月、8月を続けてグラフにしてもかまいません。
なお、このデータもデタラメですので、このまま使わないように。
3) 円グラフ
1)の棒グラフでまとめた結果を割合で示したグラフになります。
『晴』の日が、どれくらいの割合だったかを一目で理解できます。
以下の図から言えることは、7月、8月を通して、晴れの日が65%ぐらいあり、10日のうち7日は晴れていたことになります。
4). 度数分布グラフ
最初に、度数分布の度数は温度のことを意味しているわけではありません。
紛らわしい例を取り上げましたが、関係ないことは知っておいてください。
さて、度数分布です。
日中の最高気温の温度のうち34℃の日が何日あったかを調べ、まとめたグラフです。
以下の図が度数分布グラフの例になります。
横軸は最高気温。縦軸は日数になります。
この図から7月は26℃の日が一番多く、8月は35℃の日が一番多いことも分ります。
また、7月と8月を比較して、10℃ぐらい、気温が高く、暑い日が続いていたことが分ります。
以上に紹介したグラフを使い、自分が自由研究で調べたデータをまとめてみてください。
読んでいただく先生方に、文章だけでなく、見た感じで伝わるレポートになります。
さて、ここまでのグラフに対する説明より、例として示したグラフを見た方が『分った!!』につながったのではないでしょうか?
3. 図や表の使い方
最近はデジカメが普及しているので、レポートに、図として写真を挿入することが簡単になりました。
1) 図の使い方
レポートで伝えたいことは何でしょうか?
実験している様子や結果だと思います。
そういったものをデジカメで写し、レポートに載せて下さい。
ただし、写っているだけではダメです。
どのように実験したのかが説明できるような写真や図にしてください。
2)表の使い方
表については、測定や観察したままのデータを表にしてレポートには載せないでください。
それは、レポートを読む人に、『データを全部載せるので、自分でまとめてください』と言っているのと同じです。
また『自分は何も考えられませんでした。』と白旗を上げて降参している。
そんな状態でもあります。
まとめ方としては、説明したグラフのうち、1)棒グラフ、3)円グラフを作成するときにまとめた数字を表にまとめると表としては分りやすいものになります。
3).図や写真の使い方(まとめ)
- 図や写真を使う
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- 図
- 実験装置の設計図面(実験装置の寸法がはいったもの)など
- 図
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- 写真
- 完成した実験装置や実験している様子を撮った写真
- 実験して得られた結果を撮った写真
- 写真
- 表を作成する
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- 表は測定した結果や観察した内容を整理し分かり易くまとめたものです。
- 観察した内容を、そのまま表にしません。
- 夏休み期間中の天気をまとめた表が新聞に掲載されます。
しかし自由研究では『晴』が何日、『雨』が何日というように、観察した内容をまとめた結果を表にします。
4. おわりに
これから夏休みとなります。
どんな自由研究をするか計画を立ててみてください。