1. はじめに
大学生4年生の娘が中学生だった頃、夏休みの期間中に実験のやり方を質問されました。
そして夏休みが終わりに近づいたころ自由研究レポートの書き方について質問してきました。
夏休みに入る前に自由研究のテーマや実験計画を立ててくれたら、もう少し楽だったのに。と思いながら娘の質問に答えていました。
当社は、これから社会で活躍する装置を研究開発している会社です。
毎日、実験したり研究レポートを作成し、取引先様に報告しております。
仕事の経験を踏まえ、今回、中学生の皆さんを対象にレポートの書き方と実験の進め方をお伝えします。
取引先に提出する実験レポートや報告書を作成するとき、注意していること。
新しく発見した事実をうまく伝えるコツ。
それらを中学生のみなさんがわかるように書きました。
参考になさってくださると、うれしいです。感想などもあれば、コメント欄にお寄せください。
2. 自由研究レポートの書き方
A4レポートの1枚目に、以下の1~4項目をまとめます。
仕事で取引先にレポートを提出する場合、最初の1枚目でレポート全体の内容がわかるようにしています。
一番大切なのは、2項目目のテーマを選んだ理由の部分です。
これは研究テーマ(研究課題)の背景や選択理由の説明になります。
背景というのは、なぜこの研究テーマを選んだのか、自分の興味や知りたいと思ったことを説明する部分です。
次に、この研究テーマが狙いとする目的を書きます。
よく、『XXXXを調べるためにYYYYの実験を行う。』
あるいは『XXXXを確認するためにYYYYの調査を行う』と、書かれたレポートを見ますが、これらは手段や方法を書いていて目的を示していません。
書き方としては、『YYYYの実験を行い、XXXXになることを確認する。』
あるいは『YYYYの調査を行い、XXXXが正しいことを確認する。』となります。
実験や調査を通じて、変化する様子を確認したり、変化する仕組みを明らかにすることが目的です。
目的の次に結論と結果を書きます。
- 自由研究の詳細を書かないと結論が書けない。
- 内容を説明しないままで結論を書いてもいいの?
- 結論を書いてしまったら、せっかく苦労して取り組んだ実験が無視される。
こんな声が聞こえそうです。
教育現場ならすべてのレポートに目を通します。
しかし仕事では、すべてのレポートに目を通す余裕はありません。
最初の1ページ目を読み、続きを読むか、そこで読むことを止めるかを判断します。
なので、全部読んでもらおうと思わず、興味があれば2ページ目以降にまとめた詳細についても読んでください。
という気持ちでいてください。
レポートの書き方としては、2ページ目以降の詳細を先にまとめてください。
最後に、この1ページ目を書いてください。
3. 実験や調査の進め方
計画を立てず、実験や調査を進めてもムダに時間を費やすだけです。
まず自由研究のテーマや背景、そして目的を決めましょう。
その内容に沿って実験や調査の目的と進め方を決めます。
以下のように進めてみましょう。
4. おわりに
この記事は8年前に書いた記事です。
中学生向けに書きましたが、当時、企業の若手社員の方も閲覧していたようです。
東北の震災から2年後でしたので、新人教育が行き届かなかった頃だったかもしれません。
常識的、あるいはビジネスマナーとしての様式として、報告書の書き方はあります。
しかし、企業の文化に応じて微妙に異なります。
いろいろな取引先に対し、報告書として提出してきた結果、ここで説明する様式にまとまりました。
ある有名な自動車メーカーの報告書は『A4レポート用紙1枚で報告する。』と、一冊の本にされた方もおられます。
私が国内屈指の重工メーカーや国内自動車メーカーなど、どの企業様でもA4レポート用紙1枚で報告書の提出は当たり前のことです。
本にまとめるようなことでも無いと思います。
企画書や提案書もA4レポート用紙1枚にまとめて提出することが求められます。
夏休み、それなりに時間があるので、(#A4レポート1枚チャレンジ)と称して自由研究のレポートをA4用紙1枚にまとめることに挑戦してみてください。
一緒に2ページ目以降には、自由研究の詳細内容も忘れずに書いてくださいね。
新型感染症で不自由な夏休みが再びやってきますが、後悔しないようにお過ごしください。