2021年5月26日は皆既月食でした
残念ながら曇りだったので、直接、皆既月食を見ることはできませんでした。
ところで、テレビなどで皆既月食の説明を聞くと、以下のように紹介されます。
月が地球の影を通過するとき、月食という自然現象が発生する。
実際に、子供向けの図鑑なども模式図が描かれています。
しかし『夜に見える月が地球の影を通過する』ということが理解できませんでした。
地球上で太陽の反対側に当たる部分が夜になります。夜は地球の影の部分ですよね。
毎夜、地球の影の部分で満ち欠けを繰返す月が地球の影を通過する。
頭の中は、クエスチョンマークであふれてしまいました。
太陽から地球を見たら
太陽から地球と月を眺めたら、どのように見えると思いますか?
毎夜、地球の影の部分で満ち欠けを繰返す月が地球の影を通過する。
この疑問を解消するために、以下のステップを踏んで太陽から1か月間、地球を見た図面を作成してみました。
- 天文年鑑で照会されている天球上の月の位置(経度・緯度・地球との距離)から、地球を原点とした三次元座標に変換しました。
天球の中心は地球の中心なので、地球の中心を三次元座標の原点としたわけです。 - 1か月分の月の動き(新月から次の新月まで)を三次元座標に変換した後の計算手続きです。
何をするかと言うと、1か月の間に地球は太陽の廻りを公転します。
その公転角度に応じて、1.で算出した月の三次元座標を一次変換する必要があります。 - 求められた座標を三次元CADを使って、原寸サイズの地球と月、そして位置関係をモデリングしました。
以下に示す図が太陽から見た地球と月の位置関係になります。
この月の位置の変化を見て、季節によっては地球と月は重なることがなく、月と太陽の間に地球が入ってくることがあることが判りました。
また、1年間に1~2回、太陽から見て地球と月が重なることがあり、この時に日食や月食が見られることも判りました。
実際、次の新月では日食が見られるそうです。
ちょっと残念な話
実は、この三次元CADのデータが紛失しています。
データでお見せできればよかったのですが、現在、残っている資料は、この図だけになります。
座標データのメモは残っていますので、時間があれば復元はできると思います。
現状では開発業務を抱えていますので、しばらく先のことになりそうです。