技術者による錬金術です。

これがメタルジュエリー。

同じようにエメラルドカットしたステンレス部品を熱処理した結果です。

温度のわずかな違いなどで、同じロットでも色あいが変わります。
工業製品でありながら、一つとして同じ色あいを出すことができません。

矛盾を持つ製品。

量産部品なら、残念ですが、すべて廃棄になります。

悩みもあります。

価値を評価できないのです。
どういうことかといえば、類似品が作れない。

類似商品が出てくると、類似品との比較で価格の妥当性や優劣が見えてきます。
この色は、熱処理の後に、当社で後処理をして得られる色なのです。
残念ながら熱処理だけでは出てきません。

熱処理は加工をしていれば挑戦できるので、真似できるのですが、この色合いにはならないのです。

みなさん諦めてしまって類似品が商品として出てこない。
その結果、いろいろとお声がけはいただくのですが、売上にはつながらない。

人はわがままで、類似品があれば、相対的に優劣や価格などを判断し、その中から自分に合うもの喜んで選択します。
しかし、類似品もなく相対的な優劣や価格が比較できないものに対しては、欲しいもののリストから外すのです。

BtoC向けの商品を開発するというのは、ドングリの背比べのような状況を作りつつも、自分の優位な部分を確立しておくこと。
そういうことだと思います。

こんな商品を開発してみて判ったことです。

これは希望です。(違法銃器を宝石に変える錬金術)

スウェーデンのNPOが違法銃器を回収し、再生鋼材(インゴット)にしてHumaniumという商品名で販売しています。
そのインゴットを使ってメタルジュエリーを製造し、紛争地域の経済復興に利用してもらいたいと考えています。

彼らと接触したことはありますが、ある程度の購入数が固まらないと難しそうです。
当然、販路もないと製品を捌けませんし、経済復興にも利用できません。

違法銃器を宝石に変える錬金術。

そういう風にしたいのですが、思案中です。

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