韓国企業での就労で感じたこと

韓国企業での就労期間

2017年6月から2018年5月の1年間、1か月に1週間、現地に滞在する条件で韓国の現地企業で製品開発支援をしていました。
途中、6月と12月は事情で渡航しませんでしたが、通産で10週間。1年にわたり、現地企業で仕事をしておりました。

継続雇用についても打診されましたが、日本で仕事をすることに後ろ髪を引かれてしまいお断りしました。
若く独身だったら、自分への挑戦として迷いなく渡航したと思います。

以下の写真は、韓国、ソウル市内の出勤の様子です。
ここは、ソウル市内にあるIT系の企業を集めた産業団地になります。
1つのビルに起業した中小企業が50~60社近くが入居しています。
この地域には、そんなピルが数十棟あるので、出退勤時の地下鉄は東京よりもひどいです。

職場の様子

次の写真は、勤務先から与えられた席になります。
最近、日本でもDXという言葉とともに、デジタル化が言われています。

韓国では、製品カタログなんて使わないです。
インターネットで検索するか、メーカのサイトに掲載されている製品カタログを閲覧して検討するだけですから。

机廻りに書類はありませんし、開発資料も電子データで共有しているため、図面や試験結果を紙で保管していません。
なので、どこもこんな感じです。

よく見かけたものは、技術専門書でした。

当時の感想

技術書類がない。図面がない。
データは共有化されていない。

個人のキャビネットはあっても、オフィスに情報共有する技術文書を保管するキャビネットはありません。
ノウハウや技術は属人化されており、関係者どうしで、仕事の接点のすり合わせだけしている。

結果として、センスや才能(実力)がある人しか残れないシステムになっています。

人材は育てるません。
才能やセンスがあるのなら、その中で自分のなすべきことを理解し成長できるはずでしょ?
私たちが必要とし採用するのは、そんな人材。

らしい。

だから、経営者の仕事は、実力のある人材を確保するための資金集めと彼らの能力が発揮できる環境の整備。
そして魅力のある製品を作らせることが仕事になる。

Googleやアップルなんかの開発現場に近いのかしら。

憧れる現場なのかもしれませんが、与えられたテーマに対し、
『判らない。』
『出来ません。』
と、言ったら、即、就労契約を解除されます。

指導して下さる方もいません。
だって、そのテーマのためにあなたが採用されたのだから、あなたが解決しないで、だれが解決するの?

です。(厳しぃ~。)

報告は、最低でも2日に1回は、テーマの進捗に対する報告書を作成しメールなどでリーダーに報告します。
日本の上司とは、ちょっと違います。
プロジェクトリーダーに近いです。

タイムカードなんてありません。
何もなければ、9時までに出社し、18時に帰ります。
あるとすれば、セキュリティとして、指紋認証でドアのロックを解除しています。
その入退場記録を出勤の証拠とするようにしているようです。

自分も、出退勤時に、指紋認証で認証してから出勤、退勤をしています。

コミュニケーションはKAKAO。
会社の総務からの業務連絡もKAKAO。
KAKAOのグループに入っていないと、会社の動静や、会議などの情報が入ってこない。

それでも、グループのミーティングは週に1回はある。
自分も参加している。

電話機はあるけど鳴ることはありません。
日本の会社で20年近く働きましたが、こんな感じだと、かなりの技術職が淘汰されちゃうでしょうね。

韓国の企業は、こんな感じです。
日本の方が優しいと思います。

結果より成長を見ながらプロセスを重視してくださいますから。

組織の中で、嫌なことも多いと思いますが、こちらは、嫌なことを思う前にクビを切られます。
就労契約は日本ほど重くないですし、プロジェクトリーダーの好き嫌いで契約の継続が決まりますから。

以上が、当時、宿泊していた現地のホテルでまとめたメモです。
これからの日本も、こんな風に変わっていくのかもしれません。

PAGE TOP