AIロボット(駅構内案内ロボット)組立

近鉄京都線 西大寺駅にて

アイキャッチ画像のAIロボットは下北沢レイをベースにした次の世代です。ちょうど1年前の2020年、このロボットの組立と電装化を行い、元請と一緒にOMRON様に納品いたしました。
納品時の写真掲載は機密保持の観点から難しいので、このAIロボットが実際に仕事をしている様子を撮影に行きました。場所は近鉄京都線の西大寺駅、撮影時期は2020年の10月になります。

AIロボットの組立で苦労したこと

完成して動くAIロボットを皆さんは、いろいろな所で見たことがあると思います。展示会場やテレビの番組など、注目を集めています。

しかし、これまでの機械装置と異なり、組立や電装化には困った事が多かったです。

まず、組立図がありませんでした。あるのは三次元CADで閲覧できる完成状態のデータのみです。そのデータから、組立手順やネジ締付け用のドライバーの差込み方向や位置を考えて作業指示書を作成しました。

またユニットごとに組立てて、それらのユニットどうしを組合せ完成に近づけます。そのため、どのユニットを最初に組み立て完成状態にしていくのか悩みました。そのような事を積上げて、作業指示書の順番を整理し組立指示書にして行きました。

電装化のハーネス配線図

配線図はありませんでした。三次元CADのデータにもありません。この部分については試作機を貸出してもらい参考にしました。試作機は京王電鉄の下北沢駅に設置された『下北沢レイ』です。

『下北沢レイ』からハーネス配線図を起こし、実装する配線を製作しました。

ロボットの組立は出来ても、この配線の製作ができず当社まで流れてきたようです。

動作確認の難しさ

AIロボットの制御プログラムはクラウド上のサーバにありインターネット上で通信をしながら、人間らしい動きをします。

そのため設定したWi-Fiの通信速度が遅いと、サーバとの通信が、途中で途切れてしまい反応しません。

本来の想定されている動作が確認できないと、搭載機器の故障や組立て方の不良を疑います。そのため動作確認が済んだロボットを分解し、動かなかった部分やセンサー部分を交換し、改めて動作確認を行います。

この作業をすると、一度、動作確認が済んだロボットを組み直すため、再度、動作確認が必要となります。このような部品交換による動作確認と原因の究明を行うと、相当の時間を費やしてしまいます。

また動作確認済の正常な部品が動かなくなり、従来の方法ではスムーズに動作確認ができない事も判ってきました。

Wi-Fiの通信速度は保証されていませんので、通信速度を測りながら動作確認が必要になってきます。

締めくくりに

頻繁にリピート生産される製品ではありません。それゆえに最新の製品がマスター(完成状態の見本品)となり、そこからいろいろな情報を読み解く技量や能力が必要になります。

当社では設計だけでは実践的な勘所が掴めないため、実際に組立や電装化なども内製化しています。

製品開発や製品製作など、お気軽にお問い合わせください。お待ちしております。

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