【技術セミナー(再掲)】モデルベース開発(MBD)に取り組む組織に必要な要素技術とは

1 なんだとおもいますか?

モデルベース開発(MBD)に取り組んでいる組織に必要な要素技術はどんなことだと思いますか?

  • 開発チームをまとめるマネージメント力?
  • あるいはリーダーシップ?
  • モデルベース開発に精通したスタッフを集めること?
  • デジタル・ツールのエキスパートを集めればいいの?
  • 開発プロジェクトを丸投げ?

たぶん、プロジェクトチームの多様化だと考えます。

以前、モデルベース開発は『大部屋方式』の開発であることを紹介しました。

これは、設計なら設計。生産技術なら生産技術と組織出固めたりするのは良くない。
また、社内横断的なプロジェクトチームを編成しても、定例会議で進捗や課題、問題を話合うだけなら意味はない。

プロジェクトを推進するチームの部屋を設け、そこに横断的に集められた人材を集合させて推進させる。

そのような開発手法となります。
そして、このようなスタイルで、仕事をさせ、賞与や昇給時の人事考課ができるのか?

という事です。
仕事に対する姿勢と人事考課を評価するマネージャーが別であることです。

給与につながる部分ですから、モデルベース開発に踏み切るときは注意が必要です。

2 人に求められる要素技術

給与に直結する人事考課の話は、各企業が解決すべき課題なので、一度、そこから離れます。

社内横断的に招集される人材に求められる要素技術を整理してみました。
開発する商品にもよりますが、装置だと考えると、『機械』、『電気』、『制御』と、主要な分野をカバーできる知見を持った人材が必要になります。

一人で、この3つの分野をカバーするのは大変です。
しかし、複数人でそれぞれの領域が得意な人が集まれば、開発する製品の仕様をまとめやすくなります。

各分野の得意を活かし、一人では気が付かなかったことや視点を与えてくれます。
その結果、試作製作時の失敗は少なくなります。

設計する前にすり合わせしておけば、なおさらです。

この考えは、1995年~2005年の10年間で注目されたコンカレントエンジニアリング。
あるいはサイマルエンジニアリング。

この開発手法がベース②なっています。

3 覚えていますか? コンカレントエンジニアリング

図面上で設計ミスや間違いを発見し、正確な図面が作成されたら、試作製作時に発見される設計変更が少なくなる。
それは、設計ミスの修正に要する費用や消費する時間を減らす効果がある。

そのような考え方から、『フロントローディング』という言葉とともに、製造現場で発見される設計ミスは図面段階で発見する方向に代わりました。

また、設計ミスが製作時に発見されるのは、二次元図面で読みにくい図面で発生することが多い。
だから、三次元CADに切り替えて、設計時に三次元形状を見ながら検討すれば、ミスが減らせる可能性が高い。

背景としては、Windows のOSがXPになり、ビジネス用途での稼働性能が高く成ってきました。
同時にWindows OSで起動する三次元CAD増えてきました。

この時期に三次元CADへの切替えが進みましたが、下図で示されるようなフロントローディングを強化する目的が薄くなっているのが現状です。

このコンカレントエンジニアリングで注目されたのは設計ミスでした。

三次元CADの機能も上がり、部品間の干渉なども自動でわかるようになり、少なくなってきたと思います。
その代わり目立つようになってきたのが、分野横断的な仕様不足などです。

装置の機構や構造を設計しているときに、電気や制御分野の人たちの知見が入っていれば回避できる問題も目立つようになりました。

モデルベース開発は、従来のコンカレントエンジニアリングを一歩進めた開発手法とも言えます。

4 この記事のまとめ

ここまでをまとめると、以下のようになります。

 

 

 

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