【海外就労】 たまたま、注目が集まる事件と重なりました。

1 SNSを通じた就労の誘いについて

怪しい誘いは多いので、相手の信用情報や仕事の内容、依頼元がハッキリしているかなどを確認することが大事です。

15年程前には、SNSのメッセージで就労の誘いはありましたが、すべてイタズラメッセージとして読み流していました。
発信されたメールアドレスがhotmail.comやgmail.comで、企業案件ではないことが理由です。
企業発信のメッセージでしたら、アカウント情報を調べれば差出人の経歴が判ります。

その辺を見て判断していました。

差し出された地域も紛争地域であったり、国家経済を支える産業が軍事産業で盛んな国であったりした。
ちょうど紛争地域からメッセージが来たときは、IS(イスラミック・ステート)が台頭する直前の頃でした。

大事なことですが、新聞やテレビのニュースなどを見て、社会情勢の変化に気を留めてください。
紛争地域から個人宛に来るメールは、よほどの知り合いでない限り、突然、送られてくることはありません。

個人の力で解決できないことが多いので、政治的な対応や対処が必要になります。
通常ですと、政府機関に連絡が入るはずです。
個人に来る場合には、まずは疑いましょう。

SNSのメッセージで、

『私は、政府高官です。…』

こんな出だしのメッセージを受け取りました。
政府高官なら、その国の機関を通じて、日本大使館など、各国の大使館を通じて相談すべきでは?

と、思いました。
個人宛に来るメッセージだと思いますか?

この出だしで、ウソだと思えないと、犯罪に巻き込まれることになります。

2 韓国での就労体験

当時の開発情報が含まれている場合もあるので、あまり写真を伴った情報を公開していませんでした。

製品開発で仕様開発の支援でしたので、必要なツールをすべてインストールされたパソコン1台で仕事に臨みました。
与えられた机の様子です。

OneDrive(TM)に開発に必要な情報がありますので、クラウドのドライブを使っていました。

便利ですよね。
インターネットに接続さえできれば、地球のどこの国に行っても、契約しているOneDrive(TM)にログインでき、必要なファイルを利用できるのですから。

逆に言えば、物理的に切断し、相手のネットワークに接続さえしなければ良いわけです。
ですから、空港でWiFiのアンテナをレンタルしました。
これで就労先から、自分の情報に勝手にアクセスできませんし、機密を守れます。

仁川国際空港から入国しましたが、韓国の航空会社を渡航に利用し、搭乗券の半券を見せれば、韓国国内でWiFiをレンタルした方が安いです。
50%のディスカウントサービスが提供されます。

多くの観光ガイドは日本国内で用意して取材するので、書いてあるのを見たことがありません。
また、雑誌のスポンサーにWiFiサービス提供事業者が入っていれば書けない記事になります。

この写真は2017年当時ですが、2024年にもマッチングイベントのため渡航しました。
その時にも、WiFiのレンタル料は、韓国の航空会社を利用したので50%のディスカウントサービスが適用されました。

3 韓国のスタートアップが入居するビル街

日本のスタートアップ企業支援に対し、韓国のスタートアップ企業は、どのような状況なのでしょう。

2017年の時点で、日本は負けていて、この先のスタートアップ企業による経済発展は厳しいと感じました。
以下の写真を見てください。

この15階建てのビルにスタートアップ企業が400社近く入居しています。
そして、このビルだけではなく、このようなビルがいくつもあるのです。
さらにその下の写真にスタートアップ企業が入居しているビル群の写真を掲載します。

基本的に始業時間は9:00ですが、7:00から9:00までは通勤ラッシュで混雑します。
日本の高度経済成長期のラッシュを彷彿させるような状況でした。

最近、このようなビルを1棟建築し、イベントを通じてPRされている状況を見ています。
今から8年前の状況で、隣の韓国でのスタートアップ企業に対する対応が、このような状況です。

2017年当時、スタートアップ企業の数で、近いうちに日本経済は韓国経済に追い越され、追い付けないくなると思っていました。
この時点で、あきらかに日本が貧しい国でしたし、その当時以上に貧しくなるとも思っていました。

A県が建造したスタートアップ企業のための拠点が、2017年には写真のように乱立していたのですから、
数で勝てる気になりません。

 

4 就労先企業の入口

この企業は、3Dプリンターを開発製造していました。
出荷する装置は、前の写真のビルに搬入され、このフロアーで品質や動作確認などの最終確認を行い、世界中に出荷されます。

日本だと、工場から出荷ですが、韓国では、この会社のように、高層ビルのフロアーに生産設備を設置し、試作や量産品を製造して出荷しているそうです。

製造は工場で行うもの。

というのは、すべての製品に対して当てはまらない。
特に金属3Dプリンター装置も開発・販売もしており、韓国軍の防衛装備品の補修部品として製造提供していたようです。

私自身は、日本人でパスポートにより日本政府の庇護を受ける立場です。
そのためパネルによる紹介のみで、製品などを見学することはできませんでした。

このとき、国籍というものを再認識しました。

5 ソウル市内の変貌

職場から外を見た景色です。

このあたりは繊維産業が盛んで、紡績工場が多くありました。
かなり前に、紡績工場の移転を促し、多くは仁川(インチョン)に集まっているそうです。

その跡地に、高層ビルを造営し、スタートアップ企業を入居させ新興産業の育成を図っているのだそうです。
ですから、ビル内の企業の入れ替わりも早い。

自分の支援期間中に、何社かが変わりました。
日本と韓国を同じテーブルで話すのは違うと思いますが、参考にするべきだとは思います。

高校の社会科で学んだ、和辻哲郎さんの視点を思い出しました。
韓国は大陸性の気候なので、日中の気温の変化が激しいです。

冬の朝は―20℃で始まりますが、お昼は-1~2℃と、20℃も気温が上がります。
一日の気候の変化が早く、即断即決に近くないと、困ることも多いのです。
そのため朝令暮改は当たり前で、朝礼での話が、夕方になると内容が変わることもあるそうです。

一方、日本は、周囲を海に囲まれているため、日中の気温変化が穏やかです。
四季はありますが、日中の変化だけでなく、日々の変化も穏やかです。
そのため、意思決定は熟慮が許される状況にあります。

したがって、日本の場合、気候に影響を受けるような大きな変化はないので、今日決めても、明日決めても構わない。
しかし、大陸性気候の韓国の場合、気候変化の影響は大きいので、今日決めても、明日の状況が変わるなら、その日のうちに変更する。

そんな日本人の穏やかさと大陸の人たちの性急さに、影響を与えているように感じます。

現在の気候変動による影響も考えると、日本人も穏やかな気質は尊重しつつも、決断は早くした方が良いのかもしれません。

6 どのような経緯で、この仕事に就くことになったの?

最初に、SNSのメッセージでも、メールでも、個人宛に就労の誘いが来ることはありません。
国内企業に就職する場合、履歴書や職務経歴書は必要ですし、そのあと面接を行います。

確かに、知人からインド政府が進めている公共事業で日本人エンジニアが必要で…。

という誘いもありました。
その場合、英語で履歴書や職務経歴書を作成し、提出しています。

国内のベンチャーからも誘われたことがあり、履歴書や職務経歴書を提出し、その後面接となりました。

また、海外で就労のために入国する場合、就労ビザが必要になります。
その場合、相手企業と交わした就労契約書や招聘する理由などを記載した招聘状なども必要になります。

就労目的での渡航は、日本でもそうですが、教育・研修(留学や職業訓練)と高度化人材(大学教授などの専門性が高い人材)などに限られています。
アルバイトのような単純労働での就労ビザ発給をしている国は聴きません。
自国民の就労の機会を奪うようなことはありません。

前置きが長くなりましたが、この仕事は、1992年の首脳会談が始まりです。
当時の対日貿易赤字が深刻な状況で、それを改善するために日本から技術支援をすることになりました。

企業が所有する技術を、簡単に供与することはできません。
製造工程の改善活動を中心に、日本の専門家(技術士)を派遣することになり、そのフレームワークの中で就労支援につながったわけです。

韓国側も通商産業部の外郭団体が主導しています。
日本側は外務省が窓口になっており、予算も付いています。

海外での就労は、政府間の協定や条約で決まったフレームワークの中か、企業が現地工場や支社を進出させるようなときにできるものだと思います。
国内のリゾートバイトのような海外のバイトは無いと考えた方が良いと思います。

不信なメールやメッセージについては、まずは誰かに相談を。
相談する相手がいなければ、警察の方に相談してもいいと思います。

第三者の意見を耳にしてみたら、違う視点が得られと思います。

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