【AlibreDesign】三次元CADを選ぶ決めては何かな?

1 三次元CADを選ぶとき、何を決めてとしていますか?

タイトルの通りです。

みなさんは何を決めてとして三次元CADを選定していますか?

  • 初期契約料と年間ライセンス使用料、導入経費と維持費用を合わせた金額ですか?
  • 事業内容で必要な機能を洗い出し、その機能を網羅しているかですか?
  • 金額や機能の豊富さよりも、操作性などの使いやすさですか?
  • 取引先様との協業関係を深く、そして広げるため、同じCADを選びましたか?

理由を考えると、企業ごとの事情があり、理由は特定できそうにありません。

自動車業界の場合、上位の取引先と開発環境を合わせておけば、取引に有利になる場合があります。
その結果、ハイエンドのCADが選択されることが多いです。
現在は、系列を助長するようなことなので、中間ファイルでやり取りできるように、中間ファイルの規格更新を進めています。

いろいろな業種との仕事をされている企業の場合、事業拡大を図るため内製化に必要な機能を持つCADを選択することになると思います。
設計だけでなく、シミュレーション(解析)やCAM機能などあれば、設計から製造までを一貫して取り組めます。
そうするとミッドレンジやハイエンドに分類されるCADが選択されることになると思います。

では、ローエンドのCADを選択する場合は、どのような状況で選択するのでしょう。
想定したのは、

  • 個人事業主で設計の受託業務を中心にしている個人。
  • 汎用工作機で部品の製作に図面が必要なので、図面を作図するため
  • 趣味で3Dプリンターを使った造形品を制作しており、その造形モデルをつくるため
  • 開発経費を削るため、目的に応じたツールをそれぞれ選択している事業者

ローエンドを選択する理由や状況を考えると、以上の4つの理由を考えます。
これは、私がAlibreDesignを選択した理由になります。

AlibreDesignに出会った頃には、三次元CADの使用歴は20年近くあり、使用した三次元CADも複数ありました。
無料試用期間で使った感じはCATIA V5と同じでしたので、そのまま購入手続きを行いました。

AlibreDesignを使い始めた当初は『三次元プリンターで造形ができれば良い。』でした。
しかも初期契約料や年間ライセンス利用料も安価で、個人利用で使うには最適なツールでした。

当然、FreeCADはその頃からありましたし、DesignSparkの利用も考えました。
しかし、アピアランスと操作感がCATIA V5と同じというのは捨てられません。

その後、独立し法人成も経験しましたが、現在は個人に戻りました。
その間、AlibreDesignを中心にした開発環境で仕事を請負っていました。

現在も請け負っています。

2. たぶん三次元CADの選択は、開発環境の選択なのだと思う。

自分は、自分が設立した法人の開発環境は自分で構築しました。
おそらく、この開発環境を使いこなせるのは、私、ひとりだけだと思います。

ミッドレンジやハイエンドCADを使って製品を作っている企業から見れば、上図に示されるような開発環境は評価ができないと思います。
高額な年間ライセンス利用料を払って回している業務をローエンドCADを中心にオープンソースや聴いたことのないFEMツールに置き換えている。

ちょっと、訳わからない。

もし、これで開発業務が回るのなら、今、支払っている高額な年間ライセンス利用料にどんな意味があるのだろう?
そう考えても不思議ではありません。

ミッドレンジで揃えてくれたなら、同じ環境なので、確かめようがある。(?]

という事らしいです。(笑)
FEMなんて、ツールが同じという事ではなく、同じような結果が得られたら問題はないです。
製品になった時、所定の結果が得られたら問題はないわけで、環境だけで製品が作られるわけでもありません。

そうなると、開発環境を整えてほしかったり、用意された開発環境をそのまま購入したい。
そのために使う三次元CADがAlibreDesignなら、それで良い。

という事なんだと思います。

自動車部品メーカーで開発部に在籍しておりましたので、ハイエンドCADでできることは判っています。
法人の開発環境を構築するときに、その部分を低価格で実現することを目的にして完成させた開発環境なのです。

3. 開発環境で困ったのは、安価なFEMツールを探しだすことでした。

AlibreDesignは三次元モデル(部品モデル・組立モデル)の作成と製図の機能だけです。
解析機能はオプションでサードベンダーの製品を購入することになります。

最初はフィンランドで開発されていたオープンソースのElmerを検討していました。
これはマルチフィジックスで、非線形解析も対応するFEMソフトになります。

ただ、これはソルバーになるので、プリ/ポストソフトが必要になります。
日本の大学でも利用されており、一度、研究室訪問もしたことがあります。

使い勝手の問題から別の製品を検討していたのですが、その開発元が買収されてしまいました。
数年後にFUSION360の解析機能となっていましたので、FUSION360への移行も考えました。

その後、偶然、LISAというカナダに開発元があるソフトを知りました。
このFEMソフトは、レベルでいうと、NASTRAN Ver65(1995年当時)のレベルになります。

もともとNASTRANはSAPという研究用に公開されているFEM解析コードに機能を追加し商用コードして販売しています。
SAPをベースにNASTRANは開発されているため、その派生商品も多いのです。

おそらく、NASTRANとは呼べないと思いますが、SAPをベースにしているようですので、LiSAを利用しています。
簡単なプリ/ポストもついており、Elmerより使い勝手もよいので、手放せなくなりました。

値段も日本円で約30,000円の買取製品です。

すでに10年近く使っていますが、FEM解析で困ったことはありません。

4. ローエンドのAlibreDesignとFEM解析ソフトのLISAで、起業家が商品開発をするには不足はありません

表題の通りです。
設計者の能力を高めていけば、ツールに頼る部分が減るので、開発コストは減らせます。
開発ツールに頼るあまり、多額の費用を開発環境維持に投資していませんか?

少し、立ち止まって考えてみるのも良いことかもしれません

そんな思いもあり、通常ではありえない開発環境の構築したわけです。
おかげで、法人は10年、継続できました。

自動車部品メーカーでお世話になった上司からは、

『思い切ったシステムを、構築したなぁ。』

と、言われました。
同時に『投資する資金も大してないんだろ?』とも。

その点も、判ってもらっていました。(笑)

 

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