HONDAとNISSANが設立する持ち株会社に合流する三菱自動車の思い出

HONDA、NISSANが交渉を始めた持ち株会社にMMC(三菱自動車)も参加するニュースを見て、思い出したことがあります。

2008年の1月、突然、営業からプレゼン実施の依頼がありました。
内容は、下図のデジタルデータを利用した開発モデルの話。
相手は、三菱自動車本社のデジタル・IT担当役員。

突然の理由は、プレゼン予定日の翌日に日本機械学会主催の講演会があり、自動車分野での三次元データを使った車両開発の進み具合について三菱自動車の事例を話題にする予定だったらしい。
突然だったのは、自分のところで取組んでいる内容が無視できなかったようで、営業に講演会前日のプレゼンをねじ込んできたらしい。(笑)

まだコンセプトケースだったので、社内への展開はしていなかった。
三菱自動車では、社内展開を進めておられたので、安心したようだった。

それから17年。

2024年の初夏に三菱自動車の下請け会社からシミュレーションについて相談を受けた。
内容の具体的な説明はなかったが、送られた資料から目的や検討してほしい内容など、すべて理解できた。

しかし、下請け企業の方が、三菱自動車が求める内容についていけないらしい。
また、見方を変えれば、社内にも工数が不足しており下請け企業に振らないと車両開発ができないのかもしれない。

20年前に車両開発のデジタル化で取り組みはじめ現在に至るわけだが、結局、人が育たなかった。あるいは人が不足してしまった。
その結果、売上から得られる利益だけでは回らなくなってしまった。

持ち株会社への合流する背景の一つに、そんな事情があったのかもしれない。
デジタル化に対応した企業は増えているモノの、下の図を全部回せる状況ではないほど、人材が散らばっており、まとめきっかけにはなると思う。

このコンセプトは20年ほど前のもので、未だに通用することを考えると、当時は周囲が理解できないほど進んでいたのだろう。
最近、それを実感することが多い。

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