インテリジェントポンプ(UI-22) / 自動圧力調整装置(BP-11)の運転制御GUI画面の販売

1 はじめに

ある仕事を契機にインテリジェントポンプ(UI-22)と自動圧力調整装置(BP-11)をお借りすることができました。

お貸しいただいた企業様は、以下の問題を抱えておられました。

  • それぞれ単独では動作させているものの、実験時にぞれぞれの装置を単独で操作するのは大変。
  • 試験途中に流量など変更しようとすると、装置正面のパネルを指で操作するため、短時間で目標値に変更できない。
  • インテリジェントポンプ(UI-22)と自動圧力調整装置(BP-11)を接続して連携させたいが、それぞれを同時に運転制御できない。

実際、装置を開発し受入確認試験を行ったとき、受入担当者が正面のパネルを操作し流量などを変更されており、『時間が掛かって大変な作業だな。』と思いました。

そんな困りごとから、今回、下図の運転制御パネルを作成することになり、インテリジェントポンプ(UI-22)と自動圧力調整装置(BP-11)をお貸しいただいたしだいです。

2 開発初期の取組

最初はExcel マクロ(VBA)でシリアル通信を行い、運転制御を行いたい。

そのような希望を伺ったのですが、EXCELマクロ(VBA)によるシリアル通信はWindows95時代に開発されたDLL(32bit用)を使っています。
Windows95発売から約30年後の現在では、64bitが主流であり、現状のコンピュータ環境にそぐわなくなっています。

そこで、scilabとシリアル通信用モジュール(Atomsライブラリ)を使い、今回のGUIを開発するに至りました。

その時点では、どの程度、scilabが使えるか分かりませんでした。
そこで商品概要説明で行っているような通信テストなどを行い、有効性の確認と利用できることを認識していただきました。

ここまでが2024年3月までの話です。

3 インテリジェントポンプ(UI-22)と自動圧力調整装置(BP-11)の運転制御

インテリジェントポンプ(UI-22)と自動圧力調整装置(BP-11)デイジーチェーンで接続する(RS485)の通信ケーブルが市販されていませんでした。

インターネットの検索で”RS485 ケーブル”と入力すると、様々な候補がリスト化されてきます。
しかし、接続端子の形状が異なりました。

装置をお貸し頂いた企業様でも、接続して運用された経験を持っておらず、このことを理解し調達先を探すのに1か月ほどかかりました。
どうも、㈱フロム様が独自に製作されているようです。
『灯台下暗し』です。

4 GUI画面の納入と販売について

GUI画面については、7月中旬に完成しました。

動作確認書の内容チェックを行い、動作確認書としてまとめました。
また、製作中に経過報告として作成していた資料を操作マニュアルとしています。

これらの書類とともに、GUI画面ソフトウエアとを貸していただいた装置とともに、提供いたしました。
使っていただいて2週間ほど経過しましたが、不具合等の連絡がないため、販売することに至りました。

販売しているソフトウエアは、以下の3つのファイルをZIPファイルとしてまとめています。

  • GUI画面ソフトウエア(scilabコード)
  • 動作確認書 (返信された機種情報や設定値の確認、あるいは設定値を変更する時のフォーマットの揺らぎ確認の結果をまとめた書類)
  • プログラムの概要 (各装置をつなぐ時のケーブル、装置設定の変更内容、通信テスト内容と結果、運転制御するときの画面変化など)

取扱説明書に記載されているコマンドをパソコンからGUI画面を介して使えるようにしただけです。
大したノウハウがあるわけではありません。

以下のような方々のご購入を想定しております。

1). 大学や企業の研究部門で、創薬や代替燃料の開発をされているお客様。
2). 化学工学やプロセス化学分野で、フロー合成による、薬剤などの量産化を研究されているお客様
3). インテリジェントポンプ(UI-22)や自動圧力調整装置(BP-11)を使っているが、実験の効率化がすすめられないお客様。

貸していただいた装置は返却してしまいましたので、現状では機能追加や改造などはできません。
装置を貸していただけるようでしたら、可能な限り対応したいと思います。

よろしくお願いいたします。

5 その他

現在も、Excelマクロ(VBA)を使い、シリアル通信を試みようとインターネット検索をされている方々を見かけます。

本記事にも書きましたが、約30年前、32bit全盛の頃に開発されたDLLを使って通信しています。
64bitが主流になった現在の通信環境にそぐわないツールになってきました。

今回、このGUI画面では、COMポートを選択し、存在しなければエラーメッセージを表示して強制終了するようにしています。
Excel同様に計測機器から収集したデータ処理をしたり保存したりすることができます。

また、通信時にリアルタイムで処理することも可能です。

ライセンスを購入するExcelより、開発プラットフォームがオープンソースでコードが公開されているScilabの使用を検討してみてはいかがですか?
技術的なご相談、お待ちしております。

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