【Scilab/Xcos】 燃費認証試験用 WLTC(Class1 ~ Class3) バイナリーデータの販売

1 背景

以前、水素吸蔵タンクの開発に関係する仕事で、
車両走行時に生じる負荷から、水素ガスの需要量を知りたい。
というニーズが生まれました。

FC車に搭載するデバイス開発に協力していましたが、その時のニーズは、
車両が必要とする水素ガスの需要を予測し、最低限、そのニーズには応えられる仕様にする。
というものでした。

当時、国内の燃費認証試験で用いられている運転スケジュールはJC08でしたが、
2018年10月以降に販売される車両にはWLTCが適用される。
事を知り、経済産業省、国土交通省やヨーロッパのサイトを中心にWLTCに関する情報と運転スケジュールの収集を行いました。

WLTCは定格出力と空車重量の比(Power to Mass Ratio)の値によって適用するClassが分かれます。

日本では、Class1に該当する販売車両はありません。

Class2は、乗用車と貨物車各1車種が販売されています。 (2015年時点)

また、Class3はClass3aとClass3bに分かれています。
Class3aは最高時速が120km/h未満。Class3bは最高時速が120km/h以上の場合、燃費試験の運転スケジュールとして適用されます。

日本では、Class2に該当する車両がほとんど販売されていないため、2015年の時点ですが、当面の間、Class3aを適用する方針が決まりました。
Class3bについては、2015年当時、120km/h以上で走る区間がないため適用が見送られました。

このような事情がありましたが、国外も想定していたため、WLTC(Class1 ~ Class 3)までの運転スケジュールをMATLAB/SIMULINK用に加工してブロック化を図りました。
それを元に、SIMULINKでFC車用の燃費シミュレーションモデルを作成しました。

2 scilab用に加工

今回、SIMULINK用に加工したデータをscilab用に加工しなおしたものです。


図 scilabでプロットした燃費認証試験で用いられている運転スケジュール (WLTC Class 1 ~ Class 3)

XCOSの信号源で、このような時系列データをブロック化して利用できるようなブロックが見当たりませんでした。
scilabに取り込めるようなバイナリーデータにして、車両開発に利用できるのなら利用してもらおうと考えています。

現在、国内の燃費認証試験で用いられていた10モード、15モードやJC08についても、SIMULINK用に加工したデータはありますので、scilab用にも加工して提供します。

なお、開示されているデータを元に、scilab用にデータを加工した作業費を頂きます。
利用方法などの説明を作成し、準備が整ったら、こちらにてURLを掲載いたします。

よろしくお願いいたします。

3 販売サイトのリンク

販売サイトは、当社のネット販売店( 刃金からくり屋 (thebase.in) )で販売を開始いたしました。

各運転モードの商品説明やscilabへの読み込み方についても手順を示しております。

一般的に利用するデータではありませんので、以下のような方々を対象としております。

  • 自動車走行時の負荷を想定しつつ自動車部品を開発している部品メーカー
  • エンジン負荷に伴う消費燃料の算出、(例 代替燃料、水素燃料、ガソリンなど)
  • 自動車開発をしている企業や大学などの研究・開発グループ

趣味や勉強でscilabを使っておられる方々には、取扱いが難しいデータになります。
ご利用には注意願います。

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